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2017.02.15

「赤磐・桃リターンズ」桃の季節にあの男が帰ってきた

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春、まだ肌寒さが残る頃。
果物の栽培で有名な岡山県赤磐市の桃農家を初めて訪ねた。

 

01

 

菅原○太風の強面農家さんの元での厳しい農業体験を想像していたのだが、
パンクバンドをやっている一平くんという超若手イケイケ農家との出会い、
さらにはオフシーズンということもあって
そこまで忙しくない農家体験になんとも拍子抜けしたのはまだ記憶に新しい。

その様子はこちらをごらんください
「その選択、Yesか農家〜桃農家の日常が想像以上にピッチピチな件」

 

 

どうも、ライターの倉沢学です。

今回は、以前の教訓もあって、前回のような農家ルックでなく、
完全なる普段着で、再度一平くん家の桃農家を訪問。

02

前回のような無駄な意気込みも無く、ラフな気持ちで訪ねました。
今回もサクッと簡単な農作業を手伝って、
お酒飲んで、サクッとお仕事終わらせちゃおうっと。

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やあ、一平くん。
ちょりーっす!

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おいおい、年上を無視すんじゃないよ。
どうせまたスマホでアニメでも観てるんだろう?

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え???

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なんか、前回と違う。

どうしちゃったんだい?一平くん。
ちゃちゃっと仕事を終わらせて飲みにでも行こうぜ!

一平「今それどころじゃないんで。」

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……明らかに、僕と一平くんの間に溝を感じる。

 

聞けば今は桃の収穫・出荷の真っただ中。
どうやら僕はまたしても空気を読まずに来てしまったらしい。
つくづくタイミングの悪い僕。

とりあえず見てくれ、と農園に案内される。

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立派な桃が沢山。
そこかしこに甘い香りがプーンと立ち込める。

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これぞ赤磐の誇る高級果実、その名も「夢白桃」。

糖度が高く、実が柔らかくて上品な味わいの、
市場に出回ると一個500円くらいはする代物です。
その名の通り、夢があるぜ!

いやあ立派に育ったねえ。花芽摘みを手伝った僕も鼻が高いよ。

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え???
なんかまたまずいこと言った?

一平「見てください。」

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あ、なんか、いくつかの桃に黒い点々が。これは?

一平「『せん孔細菌病』なんすけど、今年はこれが多いんで出荷できる桃が減ったっすよ。食べても問題ないんですけどね、見た目が悪いんで。こいつとも、ちょっと長い付き合いっすかね」

一平くんの機嫌が悪い原因はこれだったのか。
あまりにも前回と違う専門的な農家ノリに、
さすがの僕も少しずつ状況を理解し始める。

 

とにかく今は収穫最盛期。
桃農家が最も忙しい時に来てしまったわけだ。
夜明けから深夜までそれこそ休みなく作業をしている今は、
前回のように長々と取材につきあっている時間も無いらしい。

 

そうと決まれば僕も男だ。
最近は一平くんに影響されて僕もベランダでバジルを育てているんだよ。
きっと僕にもなにか手伝えることが……。
一平「じゃあまずセンカ。」

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僕が言い終わらないうちに仕事をもらう。

センカとは「選果」のことで、
収穫した桃を大きさや形によって分ける作業のこと。

午前中のうちに一平くんが収穫した桃を、
特殊な重量計を使って選別し、出荷の準備をするのだ。

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間違えて怒られる。

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怖い。

でもなんとか終わりました!
じゃあちょっと休憩しますか?

 

一平「休憩してる暇はないんじゃ!」

すみません。
すぐに次の仕事をもらう。

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一平「はい次!パンツはかせといて。」

 

パンツ?

パンツならはいてますけど?

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一平「おめえ何しよんじゃ!」

 

蹴られる。

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一平「パンツは、これ!」

 

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パンツをはかせる、というのは、
お店でに皆さんも見たことがあるだろう、
このネットをかぶせる作業、ということを知りました。

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不器用ながらなんとか作業を終える。

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この、パンツをはかせた桃は、桃界の女王「清水白桃」。
甘さ、香り、味、全てにおいて最高の、岡山が誇る桃でございます。
皆の者、頭が高~い!

 

市場価格は1個500円!

粗末に扱ったら怒られるのも当然です。
一度食べたらもう他の桃は食べられない、
そのジューシーな肉質、芳醇な香りと甘み…。

みなさんにも味わっていただきたい!(ぜひ買ってね♪)

さあ、パンツ作業も終わったし、そろそろ休憩入れま……。

 

一平「その籠運んどいて。」

 

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しんどい。

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前回訪問時に、のんびりと花芽を摘んだのが、嘘のような忙しさだ。
僕はどうやら、農家の最も楽な時期と最も忙しい時に来てしまったらしく、
そのギャップを埋められないでいた。

そしてこっそり、遅い昼ごはんを食べた。

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一平「次、収穫!」
倉沢「午前中に済ませたのでは?」
一平「この時期は隙があったら収穫!桃は待ってくれないんで」

 

矢継ぎ早に次々来る仕事に、農家の本気を見た。

その男(農家、収穫時期は)凶暴につき。

 

一平「収穫は、まず紙をめくって、熟れているかを確認、
その後優しく枝から切り離す。」

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なるほど。
まず紙をめくり。

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……取れちゃった。

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怒られる。

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桃の扱いむずっ!

 

そして作業を開始して数時間…
僕の手は…

 

完全にかぶれた。

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多分、草や、桃の毛でなんかの反応を起こしたのだろう。
東京者は虚弱体質である。

あまりの作業量と痒みに、僕は完全にノックダウン。

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//////

 

気を失って数時間。

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一平「大丈夫ですか?」

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さすがの一平くんも倒れた僕を気遣って、心配してくれている。
すまない一平くん、もう少し休んだら回復すると……。

一平「はい、じゃあ次の作業は……。」

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もう勘弁してくれー!

しかしまあ、前回来た時とはうってかわって、とんでもない忙しさだった。
前回、農家も楽なもんだな、と思ってしまったのが運のつき。
やはり忙しい時は忙しいのだ。

 

完全なるミス。

収穫時期には毎日のようにこの作業が続くのだという。
桃は人間の都合で待ってはくれない、最適な収穫時期は一瞬なのだ。

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さらには悪天候や病気、害虫とも日々格闘してようやくなった桃である。
最高級なのも頷ける。

 

ここ赤磐で、最高級のフルーツを作る、最高級に男前な農家たち。
だがその裏には、信じられない作業量、知識、経験、数々の失敗がある。

 

それらが備わって、初めて甘くて美味しい桃がなる。

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かっこいいぜ一平くん!

でも、もう二度とこの時期には来ないぜ!

 

 

(文/倉沢学)

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