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2016.12.13

「赤磐に眠る財宝を奪え!〜ミステリアスボーイの野望〜」

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夏の暑いある日、岡山県赤磐市のとある企業に一通の予告状が届いた。

「今日、お宝を頂きます。 BYキャッ◯アイ」

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恐怖に怯える従業員たちの後ろに潜む怪しい影。

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ここ赤磐のとある世界的な企業に、ずいぶんと値打ち物のお宝が眠るという噂が。
そうと聞けば黙っていられないのは、「ライター・倉沢学」とは仮の姿、果たしてその正体は?

 

どうも、ミステリアスボーイ倉沢です。

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キャッ◯アイと聞いたらお宝を盗み出さないわけにはいかない。
完全なる間に合わせの衣装で降り立ったのは、岡山県赤磐市は吉井地域にあるこちらの会社。

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「キャッ◯アイ」だと思っていたら「キャットアイ」でした。凡ミス。

(いや、表記としては間違っていない!)

 

可愛らしい猫のマークが目立ちます。

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ちょっとした誤解はあったものの、こちらにお宝が隠されているのは事実。
この「キャットアイ吉井工場」なる工場は、一体何の工場なのか…、早速潜入よ!

 

抜き足差し足…

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誰にもバレないように、こっそりと、いざ潜入!

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2秒でみつかる。

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工場の方「なんですか?工場見学ですか?」
倉沢「あ、えっと、はい。」

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工場の方「だったら見学用のこちらの帽子をかぶってください。」
倉沢「わかりました。」

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なし崩し的に潜入完了!
まさかこの僕が世界を股にかける泥棒とは思うまい。

丁度いい。
このまま工場見学者のふりをして、ゆっくりお宝を探させていただこう…

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案内してくださるのは、株式会社キャットアイ吉井工場の組立課の川原係長。

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川原さんとともに工場の中へ。

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倉沢「そもそもこの『キャットアイ』という会社は、一体何の会社なんですか?」

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川原「キャットアイは、主に自転車に付けるライトやリフレクター(反射材)、速度や走行距離なんかを精密に計るサイクロコンピューター通称サイコンなどを製造している会社です。『闇夜にキラリと光る猫の目』から、社名が付けられました」

 

自転車用品?

 

あれ?

お宝とか無くね?

 

誰だよお宝が眠ってるなんて言ったの!

 

 

僕のそんな気持ちをよそにスタートする工場見学。
まず見学したのは、自転車に取り付けるライトの数々。

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ま、眩しい…。
職業柄、暗闇を好む身としては、なんだかとっても落ち着かない気分。
自転車のライトってこんなに明るかったっけ?

 

川原「自転車のライトは、明るければ明るいほど使いやすくて安全です。一度明るいライトを使用したら、暗いものには戻れません。とあるプロのレーサーの方も『明るさは正義だ』とおっしゃっていましたが、24時間耐久レースなどでは、ライトの性能が勝敗を左右することもあるんです!」

KONA 2012 Launch in Arizona at Old Pueblo 24hr raceKONA 2012 Launch in Arizona at Old Pueblo 24hr race

 

倉沢「なるほど。どのくらいの明るさなんですか?『ルクス』でしたっけ?」
川原「自転車のライトの明るさの単位は、ラテン語で「昼光」を表す「ルーメン(Lm)」が採用されています。特に海外では、ルーメン表記でなければ取り扱わないことなどもあるので我々も採用していますが、それだけでは安全性や快適性を評価しきれないため、弊社ではルーメン表記と併せて、光の強さを表す光度(カンデラ)、配光パターンなどもパッケージに記載し比較ができるようにしています」

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倉沢「海外でも使われているんですか?」
川原「おかげさまで自転車競技の本場ヨーロッパをはじめ、世界中の方々にご愛用いただいています。『光る』と『測る』という2つのコアテクノロジーを極限まで高めていることが評価され、ブランド力に繋がっていると自負しています」

 

倉沢「へえ、そんなグローバルに展開しているような、大規模な工場には見えませんけどねえ?」

全くお宝の話が出てくる気配がしないので、すっかりやる気をなくして失礼な発言になってくる。

川原「技術は日進月歩ですし、世界で戦うには高い品質とラインナップの豊富さもとても重要なので、臨機応変に対応できるようある程度の手作業は不可欠なんですよ」

 

なるほど。
オートメーションに頼りすぎると柔軟性を失い、時代に取り残される可能性があるわけだ。

いやいやちょっと待て。
そんなことはどうでもいい、お宝が無いなら長居は無用だ。

 

倉沢「ちなみに、この中で一番のお宝……いや、一番高価なライトはどれなんですか?」
川原「この中だとこれですかね?」
と川原さんが教えてくれたのは、他とは明らかに形状が違う「VOLT6000」。

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その明るさは6000ルーメン。
平均的な自動車のヘッドライトが1000〜3000ルーメンというから、
自転車のライトとしてはもうデタラメな明るさ!
眩し過ぎてまともに写真に撮れない!

 

倉沢「6000ルーメン?眩しすぎて直視できませんし、どんな田舎の夜道でも、さすがにこんな明るさは必要ないですよね?」

川原「はい。ただこの明るさを出すには、普通であればもっと大きくて重量のあるものになってしまうのですが、それらをクリアしながら明るさを確保できたことがキャットアイの技術力のPRにつながりますし、何より技術力の向上になります」

倉沢「ちなみにお値段は?」

まあ自転車のライトだし、たかが知れているが。

川原「10万円くらいですかね」

 

じゅ、10万?!
これは…、お宝発見?!

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早速頂きだぜ!

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早速怒られたぜ!

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思ったより厳重だぜ。
しかしライトでこの値段なら、他にもお宝がありそうだ。
工場見学を続けさせてもらおう。

 

その後は、車のように、ブレーキをかけた時の挙動で明るさが増す高性能なテールライトや、速度や走行距離を精密に計るサイクロコンピューターなどの紹介をしてもらう。

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製造工程も、話の通り手作業の部分が多く、ひとつひとつの製品が丁寧に作られているのがとてもよくわかる。

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キャットアイの製品が、世界で愛用されている所以か。

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一旦川原さんと別れ、途中きれいな工員さんたちに逆にハートを盗まれそうになりながらも、本来の目的であるお宝を物色するために単独行動。

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するとなにやら厳重に囲まれた部屋を発見!
お宝の匂いがする…

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この二重扉、怪しい…

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「なんやお前、そんな恰好で入ったらホンマに殴るよ?」

 

す、すみません。
ボク、今日工場見学に来た人畜無害なただの中年男です。
ちょっと川原さんとはぐれちゃって…。

 

「見学ならこれを着なさい」

 

ダメだ。この方、マジで怖い。

倉沢「着ます、すぐ着ます」

二重扉の正体は、エアシャワーでした。
密閉されたこの部屋は、ライトやサイクロコンピューターの核となる「基盤」の開発製造をするところ。精密機械を扱うため、白衣を着てエアシャワーを通過する必要があったのだ。

 

泥棒風味をゼロにされてしまったが、ここは大人しく従うしかない。黙って基盤製造の説明を聞く。

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「基盤は製品の命。非常に精密な部品だから人の手だけで作るのは困難だし、時間もかかる。既製品があるわけではないから、機械から自社開発して生産ラインを確保している。」

 

こんな精密な基盤が生産ラインに乗ると、1日数万枚も作られるとのこと。
その基盤には純金が使われていたり、お宝の匂いがプンプンしたんだけど、怖かったから手が出せなかった。
反省。

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恐怖の館を出て、水を得た魚のように生き生きとする泥棒。

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川原さんと再会し、続いてやってきたのは、測光室。

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文字通り、光を測る部屋、つまり、出来上がったライトの光をチェックするお部屋です。

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担当されるのは高山副主任。
パソコンの画面がメガネにキラリと光る、一見サイバーな優しいお方。

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出来あがったライトの光を、本当の暗闇を作り光量を前後左右あらゆる角度から計測し、品質チェックをしている。

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こういう丁寧で細やかなお仕事の積み重ねが、世界に誇るキャットアイというブランドを支えているのだ。かっこいいぜ!

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キャッツ◯イっぽい写真も撮れて大満足。

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ちなみにこの光を測定する機械は日本で2台しか無いらしい。
そのお値段、なんと3000万円!!!
そうと聞いたら…

 

抜き足!
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差し足!
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忍び足!
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怒られ!
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謝り!
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大失敗!
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そんなこんなことをしているうちにすっかり日が暮れたので、実際にライトを自転車に装着して試してみることに。

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装着しているのは『VOLT700』。
つまり700ルーメンの明るさ。

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遠くの看板もくっきり!

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ロードレーサー初心者の僕は、フラフラしながらもなんとか乗りこなす。
運転の方は不安だが、ライトが明るくって走りやす~い!

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倉沢「確かにこれだけ明るければ、夜道も気になりませんね。ところでこの自転車、いいですね。…『TIME』?」
川原「フランスの老舗自転車メーカーですね」

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倉沢「ほう?おフランスの?ちなみに、おいくらくらいなんですかね?」
川原「それは色々部品も合わせて…、3、40万くらいかな。」
倉沢「なるほど~、やっぱりお高いんですね~。」
川原「ええ、まあ。」

 

倉沢「…じゃあ。」

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川原「え?」
倉沢「はっはっは!バカめ!怪盗キャッツ◯イとは私のことだ!この自転車頂き~!」

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川原「待てー!自転車泥棒!」

 

 

 

 

 

1分後。
細いサドルに慣れない僕のお尻が、あっという間に悲鳴を上げたのは言うまでも無い。

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『VOLT6000』の強烈な明かりであっけなく見つかり、連行される僕。

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なるほど、こういうところでも役に立つんですね。
明るさは正義。

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先ほどはどうもすみませんでした。

でも。
泥棒なんで、何でも良いからください!

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「それもう泥棒じゃないですよ。しょうがないなあ。はい、どうぞ。」

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そう言ってキャットアイオリジナルステッカーをくれたのは、キャットアイ吉井工場の工場長!中村さんじゃないですか!

中村「もう泥棒しちゃダメですよ。でもね、うちの会社の本当のお宝は、長年培ってきた信頼とブランド、そして何より社員一人ひとりの技術力ですから、盗むことはできませんよ」

 

はい!
最後に美味しいところを全部持って行かれましたが、ありがとう中村工場長!

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こうして、キャットアイ吉井工場のお宝と、夜道の安全は守られたのだった。
めでたしめでたし。

 

(文/倉沢学)

 

 

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