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2016.04.01

「甘口ワインと辛口の恋」是里わいんをめぐる冒険

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最近気になっている職場の同僚A子さん(仮名)。

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ショートカットがよく似合う、ステキな女性だ。

 

 

 

 

先日、勇気を振り絞ってデートに誘ってみた。

僕「A子さん、今度、もし良かったらご飯でも一緒にどう?会社の近くに僕の行きつけの居酒屋があるんだ。◯民っていうんだけど。」

A子「私最近ワインにハマってるの、まだ初心者だけど。美味しいワインが飲めるお店なら一緒に行きましょう。」

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とのこと。

 

「もちろん!喜んで!ワインのことなら僕に任せておいて!」

 

とは言ったものの……。

いつもチェーン店のウーロンハイで酔いどれるこの僕が、ワインのことなど知っているはずもなく……。

 

 

 

 

 

困った!

このままではA子さんに嫌われてしまう!

そこで急遽、「A子さんに気に入られるための一人ワインツアー」に行くことになりました。

 

 

 

 

 

 

やってきたのは岡山県赤磐市。

どうも、ライターの倉沢です。

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なんでもここに、「初心者にも楽しめるワイン」を作っているワイナリーがあるんだとか。 ここでワインの知識をゲットして、その勢いでA子さんもゲットだぜ!

 

 

 

 

お邪魔したのは、岡山農業公園「ドイツの森」。

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小高い岡の上に広がる、ヨーロッパ風の瀟洒なスポットだ。

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のどかな庭園や、のんびりした羊や山羊、どこか間抜けなアルパカを横目に歩くと、程なくして、「是里ワイナリー」の建物が現れる。

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ワイナリーの中では、ここで製造しているワインはもちろん、ワインに合うおつまみや干しブドウ・ワイングッズなどが所狭しと並んでいる。

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今日はここでワインの知識を学ばせてもらおう。

 

 

 

僕を出迎えてくれたのは、この是里ワイナリーで今まで沢山の見学者のガイドをなさってきたナイスミドル、三雲さん。

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倉沢「三雲さん!僕、大好きな女の子のために、ワインのことを知りたいんです!」

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出し抜けにそう伺うと、

三雲「今まで何百何千人もの方のガイドを務めてきました。ワインのことなら知らないことはありません。私にお任せください!」

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と、力強いお言葉。

これはさぞかし沢山のワインを飲んできた大酒豪な方なんだろう。

 

三雲「いえ、私は酒は一滴も飲みません。」

 

信頼できるのかよくわからないが、とにかく今はこの三雲さんを頼るしかない。 さっそくワインの試飲をさせていただこう。

 

三雲「最初に言っておきますが、ウチのワインは、いわゆるワイン通を唸らせるようなワインではありません。これからワインを飲んでみたいと思っている、特に女性の方に、ワインの素晴らしさを知ってもらうためのワインを作っているんです。」

 

三雲さん、僕が求めているのはまさにそれです。

並んでいる沢山のワインを少しずつ試飲させてください!

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甘い!香りがすごい!ジュースみたい!

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三雲「一般的にワインを作るブドウというのは、食用ではなく、ワインを作るための特別なブドウを使用しています。しかしウチの『是里わいん』は、贅沢にもデザートとしても食べられるブドウを原料として作っているんです。だから、ブドウの甘味や香りがとてもリッチでしょう?それがつまりは、これからワインを飲んでみたい女性の方に試していただきたい一番のポイントであり、ワイン通を唸らせるようなワインではない、という理由なんです。」

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なるほど、確かに果物としての風味をこれほどまでに感じられるワインは数少ない。僕のような不心得者でも楽しめる、まさにワイン初心者のためのワインだ。

 

 

の後も、赤ワインはブドウから、白ワインはマスカットから作ると思っていた僕に、作る工程でブドウの皮をいつ除去するかで赤か白かが変わってくるという話や、通称「女子会ワイン」なる究極に飲みやすいワインの試飲などしながら、ワインについての様々な知識を教えてくれる三雲さん。僕もたくさんのワインを味わっていたら段々ほろ酔い加減になってきたので、勢いで三雲さんに質問してみた。

 

倉沢「三雲さんはぁ~、こんなにワインが好きなのにぃ~、なぜお酒を一滴も飲まないんですかぁ?」

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三雲「まあ、いろいろありまして(遠い目)……。」

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三雲「さあ、今度はワイン作りの工程を見ていきましょう!」

 

 

 

 

 

三雲さんの含みのある言葉がとんでもなく気になるが、どうも触れてはいけない感じがするので言われるがまま醸造場見学に。

 

僕も見学用の工場スタイルに着替えました!

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醸造場の中に入るとひんやりとした空気に包まれる。

一年中この室温に保っておくのがワイン作りにおいてとても重要なのだそう。

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沢山の巨大なワイン貯蔵庫や樽などを見ながら、ワイン作りの工程を丁寧に教えてくれる三雲さん。

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こんな親切な人にどんな過去が…、お酒に呑まれて取り返しのつかない大失敗でもしたんだろうか……

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いかんいかん、どうも頭から離れない。

 

 

是里ワインの魅力や発酵の段階、製造過程について詳しく知りたい方は、ワイナリーのFacebookページまで。(※三雲さんの過去についての質問にはお答え出来かねます。)

 

 

 

 

ワインについて色んな知識を得て、帰りに是里ワインの赤とロゼを購入。

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さて。

 

「美味しいワインがあるからウチに来なよ。」

 

いや、いきなり家に呼ぶのは気が早いか…。

などと、A子さんをオトす方法を考えながら、三雲さんにお礼を言って帰ろうとすると、

 

三雲「倉沢さん、これでワインのことをわかったと思ってもらっては困るんですよね。」

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なに!?

 

 

赤と白のワインの違いも分かったし、ワイン作りの工程も学んだ。美味しいワインも手に入れた。A子さんをオトすにはもう充分じゃないか!これ以上一体何が必要だって言うんだ?

 

三雲「ワインは、どんな食べ物と合わせるかによって、違ってくるんです。ワインにも料理にも相性があるんです。そう、男と女のようにね……。」

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三雲さんのしたり顔はさておき、それは聞き捨てならない!

たしかにワインと料理には相性があると聞いたことがある。

 

三雲「たとえば肉料理の時は赤ワインが合う。肉の臭みを消してくれるし、赤ワインの味もより引き立つ。そういったことも学ばなければ、ワインのことを知ったとは言えません。」

 

なるほど。肉料理には赤ワイン、と。

しかしそんな相性を学ぶためには一体どこに行ったら良いのだ?

そう戸惑う僕に、三雲さんがスッと差し出したのは……。

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な、長靴!?

 

三雲「この辺りで獲れる良い肉を仕入れる人を用意してます。これを持ってその人の所に行ってみてください。」

 

三雲さんは恋に悩める僕のために、ワインに合うお肉まで用意してくれていたのだ。 しかしなんだって長靴を?

 

言われるがまま、是里わいんを抱え指示された場所に向かうと、そこには初老の男性がいた。

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初老の男「なんだそんな恰好で!そんな▽×?※…!ったく◎●$×よぉ!」

 

訛りがきつくて何をおっしゃっているのか正直よく分からない。

この人が良い肉を用意してくれるということだが……。

 

言われるがまま着いてゆくと、車はどんどん山奥に入って行く。

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道なき道を進んでもうこれ以上は行けない所まで来ると、男性は車を降りた。

昨日の雨でぬかるんでいる山道をズカズカと進んで行く。

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周りは切り立った断崖絶壁だ。

三雲さんに渡された長靴の意味がここでわかった。

ふと背中を見ると、肩にかかっているのは、ななななんと、銃だ!

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この人はその道20年の猟師、鴨撃ち名人の森内新一さん。

20年でもまだベテランとは言えないそうだ。

たしかにここ赤磐では、最近では都内でも流行っているジビエ(狩猟肉を食すること)が盛んなのだ。

赤ワインに合う良い肉を用意するとは言っていたが、まさか猟についてゆくことになるとは。「鉄◯ダッシュ!」かよ。

 

倉沢「あの!どこまで行くんですか!?」

森内「シッ!」

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猟場に近づくにつれ、足取りも慎重になって行く森内さん。

狩人の顔つきになっている。

僕も負けじと是里わいんを手に応援する。

まさかこんな山奥に来るとは思ってもみなかったので、完全に邪魔だ。

 

 

 

森内さんの足が止まる…

 

静寂。

 

ズギャーン!!!

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鼓膜を切り裂くような大音量の銃声。

森内「チッ。」

どうやら取り逃がしたようだ。

また別の池へと向かう森内さん。

 

倉沢「待ってくださーい!」

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そんなこんなでへとへとになりながら数時間、いくつかの池や川を巡るが、あいにく今日はお目当ての鴨と遭遇しない。

 

たまに双眼鏡で鴨を発見しても撃ち落とすには遠すぎる。

 

森内「アレがカルガモ。向こうの茶色いのがマガモだ。」

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なるほど勉強になる。

 

 

……ちょっと待て。

 

 

これは完全に猟師の勉強だ!

ワインの勉強にはまったくなっていない!

 

倉沢「あの、ちょっと待ってください!僕はワインに合う肉料理を探しているだけなんです!」

 

勇気を振り絞ってそう言うと、

森内「ワインに合う肉料理?だったら桜が丘に「GRACE」ってレストランがあるからそこ行け。」

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最初から言ってくれ。

この数時間はなんだったんだ……。

 

まあでも猟に着いていったことでなんだか自分もワイルドな男になったような気がする、A子さんをオトす男の魅力も増した!……ことにしよう。

 

 

 

本来の目的とは異なるワイルドな時間を過ごし、やってきたのは農業体験もできるオーガニックレストラン「GRACE」。

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ご夫婦でやられているオシャレなこの一軒家レストランで、有機農業のスペシャリストでもあるご主人が、ご自身の畑で作られた農作物なども使って、特別にワインに合う赤磐のジビエを沢山振舞ってくれました!

 

仲良しの槙本ご夫妻、なんだかそっくりですね。

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肉の焼ける、とんでもなく良い匂いが漂ってくる。

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思わぬフィールドワークでお腹を空かせ、今か今かと待つこと数十分、5つものスペシャルメニューが登場した!

 

『鹿肉のソーセージ』

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『鹿ロースのソテー赤磐風』

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ローストビーフならぬ『鹿もも肉のブレゼ』

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『猪の是里ぶどう煮』

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『猪とキャベツ、さつま芋のトマトシチュー』

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どの料理も、今まで見たことも食べたことも無いものばかりだが、これ絶対うまいやつだ。

是里わいんも開封!グラスに注いで…

 

 

 

いただきます!

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そして飲む!

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食べる。

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飲む!

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飲む!

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うーん!美味しい!

食べ慣れている牛や豚、鶏とはひと味違う、なんとも野趣溢れる味!

地球を食べてる!

 

そして一緒にいただく赤ワインが、肉のクセをうまく中和しながらも旨味を引き立てる!

 

 

 

 

なるほど!これがワインと料理の相性か。

ワインが料理を進め、料理がワインを進める。

味覚のランデブーや!

 

 

ところで、個人的にビックリしたのがこの付け合わせ。

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これは……サツマイモ?

いえいえ、これぞなんと赤磐名物「是里ごぼう」!

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太い!太すぎる!

ごぼうと言えば繊維が多いからよく細切りで食べるものだが。

噛みきれるのか?

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……柔らか~い!

なんだこれは?本当にごぼうなのか?

ホクホクした食感に大地の味がたっぷり。

しっかりした味付けで、こちらもワインが進む。

 

ワイルドなジビエに是里わいん。

相性バッチリのコンビネーションで、僕とA子さんの相性もどんどん良くなるぞ!

 

 

 

 

ワインの知識も得た。

料理との相性もわかった。

ついでにワイルドさまで手に入れた!

 

完璧だ。

今こそA子さんを誘う時だ!

 

「もしもしA子さん?今度赤ワインでも飲みながら、肉料理でもご馳走するよ。やっぱり赤には肉だからね。赤ワインのように頬が赤くなった君のハートを、ワイルドに銃で撃ち抜いてやるぜ!」

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「あ、私、ワインブームこないだ終わって、最近は日本酒にハマってるの。日本酒の美味しいお店なら一緒に行きましょう。」

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……。

 

 

 

 

「すいませーん!この辺りで日本酒に詳しくなれるところありませんか!?」

 

 

 

その後、是里わいんでベロベロになるまで飲んだくれた。

 

恋の行方は、是里わいんのように、甘くはない。

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<おまけ>

この後、猟師の森内さんから連絡があった。なんと鴨を仕留めたというのだ!

ということで再度待ち合わせ。

 

 

大変満足げである。

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森内さん「あんた△×?※…だろ!?これ*◎●$×だぁ!」」

やはりあまり聞き取れない。

 

(文/倉沢学)

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